書き逃げ

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『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』の極薄感想

ネタバレなしです。

themummy.jp

大変楽しい映画でした。

とにかく展開が早い。トムがどういう人間なのか(なかなかの小悪人だし、軍人にしては弱さが強調されている)は最低限わかるように出来ているのはいいとして、「これどうなっとるねん」という疑問はスピードにまかせてぶっちぎり、飛行機墜落直後にピンピンしてるのも、ろくに説明しないまま駆けだして、あとから「ははあ」とわかってくるというやり口である。

意外だったのは、「呪われた」を意外ときちんとやっているところ。「どうせちょっと怖いだけでアクション映画なんだろ」と思って見に行ったけど、予想よりはずっとちゃんと呪われていた。しかもトムが。

この映画でやっているタイプの「呪われた状態」は長い間映画で見ていなかった気がする。もちろん、呪い自体は『リング』とか『呪怨』とかでたっぷり見ている。しかしこれは、かなり昔のドラキュラ映画で見たようなタイプの呪いだ。ネタバレしないとなるとこういう言い方にとどまってしまうが、懐かしい。俺、子どものとき、こういう呪いを怖いと思って日曜洋画劇場のドラキュラ(の何か)を見ていたなあ。恐怖に魅惑される怖さと言いますか。

と、書くと凄く怖いみたいだけど、ほとんど怖くはない。粉っぽいゾンビが少し新鮮な程度のよくあるアクションホラーである。トムがそういうのに出ているのが特別感があるとはいえ、この感想に負けないぐらい薄味な一本と言えよう。

じゃあなんで楽しいのか? この映画の評価を(俺にとって)2割増ししている点が2つある。1つは、何と言ってもソフィア・ブテラ。『キングスメン』に出てた、義足の殺し屋の彼女である。

出てくれるだけで嬉しくなる。

 

もう一つは、これから始まる「ダーク・ユニバース」を感じさせる、ラッセル・クロウの役。ハ○○か! って、みんな言うと思うよ。予告では何も言われてないから(一応は)伏せるけれど、『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』を思い出した(見てない&読んでないで言う)。クロウは、『ナイスガイズ!』も良かったし、復調している感がありますね。