書き逃げ

映画、音楽、落語など

『新感染 ファイナル・エクスプレス』主に顔の話をしよう。

薄い感想書きます。

shin-kansen.com

 

かなり面白い。のだが、洗練されてない頃のK-POP的な泥臭さがあって、そこは非常に惜しかった。

どうも「泣かすゾンビ映画」として話題になっているらしい。それはその通りだ。終盤、全力で泣かしにかかってきますよ。でもそのときの演出、悪く言えば「やり口」が、サビになったら半音上げで盛り上げ続けようとしていた頃のK-POP的なしつこさなのである。そこをもう少しさらっと洗練させてやってくれたら、俺は間違いなく泣いていた。脚本にまずい点は全くないと思う。シンプルな話ですからね。

あり得ない話だが、もし終盤の展開をイーストウッド演出でやられたりしたら、席から立てなくなるぐらい泣いていただろう。イーストウッドがやるわけねえだろ! それはその通りなのだが、もしそれぐらい抑えた演出でやってくれてたらたまらんかったろうなあ。

 

割と多くの人が想起するんじゃないかと思う映画があって、それは『アイアムアヒーロー』だ。言わずとしれた日本製ゾンビ映画の秀作(ということになっている)だ。ごめん、それは東洋人がゾンビやってるという意外は共通点はなかったわ。でも、俺は見ている間、どうしても脳裏にちらちらと浮かんだ。

でも、『アイアムアヒーロー』よりはやっぱりいいところが多いなあと思った。俺にとっては、ですよ。それは(今検索して名前を知った)マ・ドンソクの活躍である。

 

こののっそりしてがさつそうなおっさんね。彼がまさにそういう奴として登場して、なのに途中から大活躍するあたり、韓国映画への信頼感を持たざるを得ないのである。俺にとっては。

マキタスポーツを出していながら、さっさと退場させてしまうのが、日本製ゾンビ映画の限界なのかもしれぬ。と言いつつ、マキタスポーツの演技でずっと出られても面倒くさいかもしれなかった。

 

今作で大いに残念だったのは、細かい話だけど、ゾンビの群れの中に突っ込んでいくときの防備の仕方が雑すぎたことだ。拳にテープ巻けや、せめて。俺だったら前腕とか肘周りとかより先にそこに巻くなと思って見ていた。

 

あと、いいところは子役の顔。これも本当に素晴らしい。

 

ビリケンさん」に似ているなあと思った。

 

登場して間もなくはそんなに可愛く(見え)ない。でも、彼女が父親のどういうところに憤りを感じているのかを開示していくにつれ、そしてまた感情を露わにしていくにつれて、この珍獣っぽい顔がどんどん可愛く見えるようになっていくのである。『E.T.』みたいだな。

総じてみんな顔がいいのだ。東出昌大の黒目を小さくしたような主人公、ズルをして生き残ろうとする社長、列車の運転手、みんなどこか納得させられる。日本でリメイクして東出昌大國村隼笹野高史にしてもちょっと違うんだよなーと思う。この置き換え、結構似てますよ。ご確認いただければ幸いです。