書き逃げ

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アナログ盤 バイナルレコード 皿LP

最近、アナログ盤をよく買うようになった。これまではなんとなく、「デジタル制作されたものをアナログにした音を聞いてもなあ」みたいな気持ちでいたのだけれど、新譜を割と買っている。

もともとアナログの音は好きではあった。「デジタルと比べて音がいい」かどうかは正直わからない。ただ、CDと違う音なのはわかる。一応言うと、スクラッチノイズとかヒスノイズとかとは別にですよ。
デジタルとは違う理屈の音だなと思うのである。乱暴に言うと、「擦れて出てる音」「引っかいた音」っぽさがどこかにはあると感じるのだ。ヒスノイズとは別に。
例えばドラムとかトランペットの音って、そもそも全然擦られて出た音ではない。それを細い針で細い溝を擦ることで再現するわけだから、「叩いてる音らしさ」「管を共鳴させてる音らしさ」を演出して作っているように感じる。どこかディフォルメされているような、本物よりもその楽器の音のイデアに迫ろうとする努力の跡みたいなものを感じるのだ。
逆に、バイオリンとかチェロみたいな楽器だと、そもそも擦過音だからそんなに無理がないような気がする(ただし合奏になるとちょっと違う感じがする)。

 

馬鹿、そもそもマイクを通す時点で生の楽器の音とは違う理屈で記録されているんだし、さらにスピーカーはほとんどの楽器と違う理屈で音を出してるんだからデジタルかアナログかより前に「その楽器の音らしさ」なんてのは演出されたものだろ、と言われると確かにそうで、「ただそんな気がしただけなんです……」と小声で言うしかない。
デジタルに比べてアナログのほうがいい音! と言う気は全然ないんだが、そういう「無理してる」「人の耳をごまかそうとしてる」感じがする音が面白くて楽しく聞いております。

 

なぜ具体的な盤を挙げないかというと、アフィリエイトっていうのをしてみようかと思っているという下品な理由です。すまぬ……すまぬ……。